個性とか感性じゃ納得できない

いまさらポストモダンじゃないが、趣味の合わない人間って絶対いるんだと確信。
ここから先はほとんど愚痴なんで気にしないで。
昨日今日と長い映画を立て続けに見ました。
『タイタス』と『マルコムX』。
タイタスは寮の人と見てましたが、その人いわくつまらんだそうです。
ローマ帝国時代に車や銃がある。」、「あまりに芝居じみている」etc.
見てる最中小言ばかり言うんで黙ってみてろと声を荒げてしまいました。
タイタスとはシェークスピア原作で、時代はローマ時代。
皇帝崩御の際、皇帝候補にゴート人制圧など功のある歴戦の将軍タイタスが選ばれるが、皇帝の座を故皇帝の長男に譲る。新しく皇帝となった長男はタイタスが捕らえたゴートの女王を見初め皇后とする。しかしこのゴートの女王、捕虜としてローマにつれてこられた時に長男をタイタスに殺されていた。女王は愛人であるムーア人とともに策謀を練りタイタスの家族を濡れ衣をかけ処刑するなど、タイタスを追い込んでゆく。やがて真相に気付いたタイタスは皇后をはじめ自分を陥れたローマ帝国に復習を始める。
ってかなり長かったですがこんな内容です。
劇中に出てくる人間の持つ、執念とか狂気とかがねちっこく表現されており、劇場で見た際にただただ凄いと感心したものでした。
確かに時代考証なんかはほとんどやっておらず、歴史ドラマを期待した人間には???の嵐だったと思います。しかし、人間の持っている感情の中で、一般に醜いとされている執念を、ローマ帝国という壮大な舞台で描いただけで、テーマ自体は普遍性のある深いものだと思うのですが、「舞台演出がわかりにくい」とかそういった浅い部分でしか評価されないのは残念至極であります。
カッコ悪いという極めて一元的で客観性のない理由で評価されないひげガンダムをシリーズ中最も愛する自分としてはやるせない思いでいっぱいです。
たしかに一般受けしないものを好む傾向はありますが、一般的には無視されても熱烈なフリークがいる作品こそがもっと評価されるべきなんだと思うのです。色眼鏡をかけて正当な評価をしないなんてあまりに了見が狭いんじゃないかと憤る今日この頃。大衆娯楽に背を向け己の感性のみを信じ込むというのは、中二病と揶揄されそうですが、考えなくても予備知識がなくても誰でもわかる、みたいな作品を大作とか名作と賞賛する人間ってあまり好きになれません。
まぁ個人の趣味で片付けてしまうのが大人なんでしょうが、そこまで達観できないほどこれらの作品を愛してます。(役者とか知らんが)

マルコムXは、サンデープロジェクト亀井静香がぐちぐちしゃべってるだけでつまらなかったので見てみた。2時間くらいで終わるかと思ったら200分もあった。失敗した。感想としては、当時の公民権運動を追っていくというよりも、あくまでマルコム個人の内面の変化を追っていくものでした。メッカへ巡礼は一生に一度くらいやっとかないとなと思う映画。印象的な台詞は「いい黒人組織だったが、ニガーがつぶした」って奴です。純粋な人間って不器用だよねって話。なかなか良かった。まだ見てないけど、マルコムが白人でラップ歌ってたら8mileになるのかなと勝手に予想した。