大根、しらたき、がんもどき以外は好きじゃない。

深夜原付で、研究室から帰る途中、コンビニに寄ることが多いのだが、ついおいしそうだなぁと思ってしまうのはおでんだ。もう衣替えだってとっくに終わっているのにおでんが美味しそうに見える土地、仙台。実家の家業をついでいたなら、今頃、嫁さんでも貰って、夜は家族の団欒が待っていたのだろうか。コンビニおでんくらいでしか、温もりを得られないような生活が、後何年も続くと考えると、おでんの前で涙が出た。咄嗟に雑誌コーナーに向かい「実録嫁姑戦争」を読んで、この涙を誤魔化そうとしたが、気づかれていたのだろう。帰り際、暖めるようなものは買っていないのに、馴染みの店員に慈しむような笑顔で、「暖めますか?」と聞かれた時、また泣いてしまった。うなずくと会計を済ませたばかりの雑誌をチンしてくれた。今後このインクの香りを夏が来るたびに思い出すのであろう。


ところで八木山神社横のセブンイレブンに、カリスマ店員がいることを知っているだろうか?件の店を夜利用する人間ならわかると思うが、髪形を妙にきっちり決めて、キビキビ動くあの人だ。仲間内ではカリスマ店員と呼んでいるが、私は心の中で「兄さん」と呼んでいる。夜のセブンは、「兄さん」を中心として、やたら接客態度のいい店員ばかりだ。あそこが売り上げ仙台No.1なのは、立地もそうだが、「兄さん」の貢献度はかなり大きいと思う。坂の下のセブンは、夜の面子はいかにもフリーターって感じの店員二人が、バカ丸出し会話を客の前で堂々と繰り広げているので、あまり行く気にならない。「兄さんのいる店だったらこんな連中いないのに・・・」といつも思うが、働くのならこっちだ。楽そうだから。