それはごぉっという衝撃とともに私をうちのめした。ただひたすらに、そして美しく。

昨夜は友人の誘いにのり、「46億年の恋」の恋という(男同士の)恋愛映画を見に行きました。
感想はタイトルのとおりです。下にリンク貼っておきます。
http://www.cinemart.co.jp/46/swf/flash.html
大変な話題作であるため、会場には我々二人しか存在せず大変のびのびと映画を見ることができました。
巷にあふれている映画論というものが、如何に陳腐でさもしいものかをこの映画は証明していると言っても過言ではないでしょう。てか私のブログでこんなこと書いても誰も信じてくれないでしょうが、絶賛してるんですよ!本当に!!すげぇってまじで。


なぜその映画を見に行ったかというと、B級映画界の巨匠がこんなコメントを公式HPでしているからです。

46億年の恋』は、三池崇史が今世紀で最もアーティスティックな監督だということを証明している。
彼の新作は、世界の映画がバカげた産業に凋落してしまったと見なしている人々に向けての希望あふれる賛歌である。
詩(ポエトリー)がなければ、映画とは死せる観客のためにゾンビが作ったショーなのだ!

アレハンドロ・ホドロフスキー監督(映画監督)


どうしてこんな素敵なコメントができるのだろうか。このコメントはまさにあの作品の本質、そして現在の映画産業に対して感じざるを得ない失望と、それでも映画を見続ける(ことしかできない)我々の自嘲を的確に表現している。このような映画があるからこそ我々は映画を作品として語り見続けていくことができるのである。

多分この映画を絶賛する人間は10人に2人くらいであることは間違いない。すべての人にこの映画を勧める気には到底ならない。以前日記でタイタスについて言及したが、「設定がおかしい」程度の感想しかもてない、大作を名作とそのまま置換えて楽しむようなまさに死せる観客には絶対に受け入れられないだろう。だがそれでいい。だからこそこの映画には価値がある。